投資経営ビザの基準の明確化
<投資経営ビザの基準の明確化>(法務省HPより抜粋)
■在留資格「投資・経営」について
(1 )出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の投資・経営の項の下欄に掲げる「投資・経営」の在留資格をもって在留する者が本邦において行うことができる活動は,「本邦において貿易その他の事業の経営を開始し若しくは本邦におけるこれらの事業に投資してその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事しまたは本邦においてこれらの事業の経営を開始した外国人(外国法人を含む。以下この項において同じ。)若しくは本邦におけるこれらの事業に投資している外国人に代わってその経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないとされている事業の経営若しくは管理に従事する活動を除く。)」です。
(2 )「投資・経営」の在留資格は,相当額の投資をしてその投資した資金の維持・拡大を図る観点から,会社等の事業の運営に参画することを目的として入国・在留する者を対象として設けられたものですので,その外国人が実質上その会社等の経営を左右できる程度の投資をすることが前提として必要です。
(3 )したがって,例えば日本人が起業した事業であっても,起業後外国人が当該事業に相当額の投資を行い,かつ実質的に当該事業について経営権を有していると判断できるような場合には,「投資・経営」の在留資格に該当することになりますし,逆に,一時的に株を取得したにすぎない場合や投資額が相当額に達しない場合,又は,投資した本人やその本人を代理する立場にある者以外の者が行う経営活動や管理活動は,「投資・経営」の在留資格の対象とはなりません。
(4 )上記の「相当額の投資」については,会社の規模により異なりますが,実質上会社の経営方針を左右できる程度の金額であることが必要であり,最低でも500万円以上の投資が必要となります。
なお,「投資額」は,単に所有する株式の価額により決まるものではなく,当該事業に実質的に投下されている金額で判断されます。
また,外国人が起業する際の500万円以上の投資額についてですが,これは会社を経営するのに必要なものとして外国人が投下した額の総額であって,その使用目的は事業遂行上必要なものであれば足り,例えば,土地や建物あるいはその賃借料,さらには事務機器代等も含まれます。また,一般には,会社の事業資金であっても会社の借金はただちには投資された金額とはなり得ませんが,その外国人が当該借入金について個人保証をしている等の特別の事情があれば本人の投資額と見る余地もあります。
(5 )500万円以上の投資額は,毎年500万円の投資を行うことが必要であるわけではなく,一度投資された500万円以上の投資がその後も回収されることなく維持されていれば差し支えありません。
そして,この500万円以上の投資が行われている場合には,「投資・経営」の在留資格について出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(以下「基準省令」という。)が定めている「当該事業がその経営又は管理に従事する者以外に二人以上の本邦に居住する者(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)で常勤の職員が従事して営まれる規模のものであること。」の基準についても,実際にこのような常勤の職員を2名以上雇用していなくても,差し支えないとする取扱いを行っています。
(6 )企業の経営活動や管理活動は,自然科学や人文科学の知識等を要する業務に従事する活動であることもあり,このような場合には括弧書きを除いた「技術」や「人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる活動と一部重複することとなります。法別表第一の下欄の括弧書きは,このように重複する場合についての在留資格相互の適用の優先関係を定めたものです。
したがって,「投資・経営」と「技術」「人文知識・国際業務」とでは「投資・経営」が優先しますが,優先される「投資・経営」の在留資格についての別表下欄の活動に該当しないとき(基準に適合するか否かは別問題)には,「技術」又は「人文知識・国際業務」の在留資格に該当し,これらの在留資格により入国・在留が認められることもあります。
(7 )ある企業の職員として「技術」や「人文知識・国際業務」等の在留資格で在留していた外国人が,途中から同じ企業の経営者や管理者となったときは,直ちに「投資・経営」の在留資格に変更する必要はありませんが,新たに経営者又は管理者としての職に就任(再任を含む。)するときは,原則として「投資・経営」の在留資格に変更することが必要となります。