配偶者ビザの在留期間更新申請を忘れた場合の手続
Q.私は、フィリピン人で、日本人の配偶者ビザ(3年)をもっています。在留期間の更新期限が今年の3月25日までだったのに、5月になって配偶者ビザの更新申請を忘れていたことに気づきました。このような場合、逮捕されてしまったり、強制送還になったりするのでしょうか。
A.配偶者ビザの在留期間更新を忘れた場合、オーバーステイ(不法滞在)となりますので、法律上は「強制退去処分」となるのが原則ではあります。
しかし、ケースによっては、強制退去処分は酷なケースもあると思います。
そこで、このような場合、在留期間更新を忘れた理由、在留期間更新が遅れた日数等を考慮し、「特別受理」がなされることがあります。
この「特別受理」とは、在留期間の更新手続きなどを期限後に届け出た際などに、入国管理局の判断により、考慮すべき具体的事情が有ったと認められた時に特別に申請を受理してもらうことです。
これは、明確な規定のある救済方法では有りませんので、あくまで例外的措置です。ですから、絶対と言うことは有りえません。
ですから、あくまで天災(地震や津波等)や病気などの止むを得ない事情(考慮出来る仕方の無い事情)により、申請手続きが滞ってしまった場合には、「特別受理」されることもありえる、というぐらいに考えておいてください。
配偶者ビザの在留期間が過ぎてしまっても、特別受理が認められればいいのですが、認められない場合には、「在留特別許可」lを求める事になります。
この場合、在留期間を過ぎた日数が短期間で、在留状況が良好な場合には許可される場合があり、前と同じ在留資格が付与されますが、多くの場合、在留期間は1年となりますので、永住許可や帰化(日本国籍取得)を考えていた方にとっては大きなダメージとなります。
そして、在留特別許可が認められない場合には、単に在留期限を過ぎてしまって不法残留者になりますので、出国命令対象者に該当する場合は、出国命令により出国し、出国命令にすら該当しない外国人については、「強制退去処分」となることになります。
このように、「在留期間」というのはしっかり把握していないと、痛い目にあります。
運転免許証の更新手続きとは異なり、入管から「あなたの配偶者ビザは期限が近づいてますよ」といった連絡も全くありませんので、日本に在留される外国人の方、また企業の総務などで外国人従業員の在留関係を把握・管理している方などは、在留期間は絶対に忘れることがないように充分気をつける必要があります。
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