投資経営ビザ更新・必要書類
<投資経営ビザ更新・必要書類>
Q.私は、貿易会社の代表取締役をしている外国人です。1年前に投資経営ビザを取得しました。今回、投資経営ビザを更新したいのですが、必要書類はどのようなものでしょうか?
A.一般的には、下記の書類です。但し、実際に必要な書類はケースにより異なりますので、あくまで参考にとどめておいてください。
【申請人に関する書類】
在留期間更新許可申請書
パスポート
在留カード
住民税課税証明書
住民税納税証明書
その他事案により必要な書類
【会社に関する書類】
直近の決算書
事業所の概要を明らかにする資料
申請人の投資額を明らかにする資料
申請人の活動内容、期間、地位及び報酬を証する資料
特に、1期目は多くの会社で赤字決算になることが多いので、その場合は、一般に要求される書類だけでは十分ではありません。
あくまで許可に必要な投資経営ビザ更新の必要書類は申請者の責任で自分で考えて提出する必要がございますので、ご注意ください。
(参考:投資経営ビザ更新の条件-事業の継続性があるかの判断基準)
事業活動においては、さまざまな要因で赤字決算となり得るところ、事業の継続性については、今後の事業活動を適正に行うことが可能であることの証明が必要になる。しかし、単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから、直近二期の決算状況により、以下のように取り扱われます。
① 直近期または直近期前期において売上総利益がある場合
a 直近期末において剰余金がある場合または剰余金も欠損金もない場合
直近期において当期純利益があり、同期末において剰余金がある場合は、事業の継続性に問題はありません。また、直近期において当期純損失となったとしても、剰余金が減少したのみで欠損金とまでならないものであれば、事業を継続する上で重大な影響を及ぼすとまでは認められないことから、事業の継続性があると認められます。したがって、直近期末において剰余金がある場合または剰余金も欠損金もない場合は、事業の継続性があると認められます。
b 直近期末において欠損金がある場合
(ア)直近期末において債務超過となっていない場合
事業計画、資金調達等の状況により、将来にわたって事業の継続が見込まれる可能性を考慮し、今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出を求めることとし、事業が行われていることに疑義があるなどの場合を除いて、原則として事業の継続性があると認められます。
ただし、資料の内容によっては、中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を求める場合があります。
(イ)直近期末において債務超過であるが,直近期前期末では債務超過となっていない場合
債務超過となった場合、企業としての信用力が低下し、事業の存続が危ぶまれる状況となっていることから、事業の継続性を認め難いものです。しかし、債務超過が1年以上継続していない場合に限り、1年以内に具体的な改善(債務超過の状態でなくなることをいう。)の見通しがあることを前提として事業の継続性が認められます。
具体的には、直近期末において債務超過であるが、直近期前期末では債務超過となっていない場合は、中小企業診断士や公認会計士等の企業評価を行う能力を有すると認められる公的資格を有する第三者が、改善の見通し(1年以内に債務超過の状態でなくなることの見通しを含む。)について評価を行った書面(評価の根拠となる理由が記載されているものに限る。)の提出を申請者に求めることとし、当該書面を参考として事業の継続性が判断されます。
(ウ)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
債務超過となって1年以上経過しても、債務超過の状態でなくならなかったときは、事業の存続について厳しい財務状況が続いていること及び1年間での十分な改善がなされていないことから、事業の継続性があるとは認められません。
② 直近期及び直近期前期において、ともに売上総利益がない場合
売上高が売上原価を下回ることは、通常の企業活動を行っているものとは認められず、仮に営業外益、特別損益により利益を確保したとしても、本来の業務から生じているものではありません。単期に特別な事情から売上総利益がない場合があることも想定されるところ、二期連続して売上総利益がないことは、主たる業務を継続的に行える能力を有しているとは認められません。したがって、この場合は事業の継続性があるとは認められません。
③ 直近期決算で当期純損失のあった投資・経営の在留資格に係る入国・在留申請の許否に係る事例
【事例1】
直近期決算書によると損失が発生しているものの、債務超過とはなっていない。また、同社については第1期の決算である事情にも鑑み、事業の継続性があると認められた。
参考指標:売上高総利益率・約60%、売上高営業利益率・約-65%、自己資本比率・約30%
【事例2】
直近期決算書によると、売上総損失(売上高-売上原価)が発生していること、当期損益は赤字で欠損金もあり、また、欠損金の額は資本金の約2倍が発生していることから、事業の継続性は認められなかった。
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